謙虚な人は好かれる
少しおばかな人も好かれる
偉そうな私と、少しドジな私、評判がいいのは確実にドジなほう
人間は、他人をバカにするのが好きな生き物だから
――だから、バカにされまいと、がんばってきたのだけれど
最近、ふと、逆を考えた。
他人から、バカにされることに徹するのである
道化師の自分を意図的に作り出すのである
すると、他人は私に親近感を持つ
たくさんの他人の中に、私の居場所ができる
リアルな私ではない
道化師の私
リアルな私は私のまま。ただ、あまり寂しくなくなる
私の世界が安定する
――
ずっと、他人から見られるのが嫌いだった
私が、誰の目にも映らなければいいのにと思ってきた
他人の心の中に私が入っていくことは、私が穢れることと同じだった
透明な自分を望んだ
絶対に叶わない願望
なのに、あきらめることもできず、中途半端でい続けてきた
ただむやみに他人の視線を恐怖し続けてきた
で、ようやく、道化師の自分を盾にすることを思いついた
私はきっと、そこそこの道化師になれると思う