回避性人格障害

回避性人格障害 03

もしかしたら、日本人がダメなのか?

という、仮定を立ててみた。

たとえば、パリを旅行した時は衝撃だった。
街をいく人々の誰もが、私よりも気むずかしく、打算的で、きまぐれで、利己的あるという、におい。心の落ち着くにおいだった。日本人よりもフランス人に対して、私は親近感を覚える。

パリで中学校くらいまで住んでいた知人に、あとから聞いたことなのだが、フランスでは、自分なりの価値体系を持っていない人間は、つまらない人間だとバカにされるのだという。そのためフランス人は、学校教育を通じて、哲学やディベートを学び、自分を探し、自分を確立する作業を行うのだという。日本と正反対だ。日本では、学校教育を通じて、集団に受け入れられるために、自我を没する方法を学ぶ。しかし、ぜんぜん自我が没してない私は、フランス人から好かれるだろうと、その知人は言っていた。

その通りだ。いくつかの都市を私は一人で旅行したが、パリほどあからさまに親切にされたことはない。 ひとりでうろつく不慣れな私を、誰かが必ず見ていて、そしてなぜだか助けてくれた。 私が少しでも迷った顔をしたら、あっという間に誰かが寄ってきて、道を教えてくれたり、地下鉄の乗り方を教えてくれたり。

だから、これからはパリに住むか?
もう41才になってしまったけど
フランス語むりだけど
職につくのも大変で、弱い私になってしまうかもしれないけど
パリでなら、私はたぶん人間嫌いじゃなくなるから

本気でそこまで考えた。

で、ふと、とある可能性に思いいたった。

私は、人間嫌いという病気にかかっているのかもしれない。