仕事の話
嫌いな人が、私の助けを求めている
彼のことは、最初から格別に嫌いだった
結果として、私は彼の予想以上に使える人間だった
彼は当初決めた期限を越えて、私と一緒に仕事をすることを望むようになった
私は、嫌なんです
感覚的に、強烈に、嫌なんです
金ならもう、もらった
あとは撤収あるのみ
私は、とにかく、みんな嫌いなんです
だから、私は、さっさと断ればいい
うまく根回しして、撤収すればいい
なのに、この居心地の悪さ
たとえ相手が嫌いな人間であっても、期待満面の瞳で私を見つめる相手を裏切ることに、私は罪悪感を覚える
でも、そんなの、関係ないんだ
私は私
割に合わない仕事はしたくないんです
高飛車で調子がよくて他人を踏み台にすることを厭わない彼なんかに、だらだらと都合よく使われたくないんです
私は自分の利益を優先するんです
私は自分の感情を優先するんです
そのために努力をするんです
私は回避性人格障害の診断基準7項目に当てはまるけれど、実は、それは、たいした問題じゃない気がしてきた
あの7項目は、実は日本人のほとんどの人が当てはまりうる、ごく一般的な症状のような気がしてきた
そう、たんなる症状
私の場合、回避性人格障害的な症状の根本にあるのは、自己評価の低さ、自分に対する自信のなさ、自分の気持ちを大切にする気持ちの小ささ
そして、そのさらに根本にあるのが、幼少期からまとわりつく、自殺願望の強さ
私は、自分が嫌いだから、人間が嫌いなのかな