他人の中の自分

他人の中の自分 08

どういう自分になりたいかを考えてみる。

いつだって忙しくて、なにか大切なものを犠牲にしているのに、私の手には、なんにも残っていないように感じるのだ。

たとえば、一人でいることが好きなくせに、他人と良い関係を築くことができる人をうらやみ、できない自分を責める。自分も、他人と良い関係を築くことができる人になるべきな気がしてくるが、結局、できない。する気になれない。

そういう無駄。

自分に与えられた時間は限られているのだから、そういう、わけのわからないつらい時間はなるべく避けていきたいように思う。

ということで、いままでの自分をふり返ってみる。

いつも何かに追われていた。何に追われていたのかというと、

仕事で結果を出すことであったり
小説を早く書こうと焦る気持ちであったり
将来の伴侶探しであったり

ずっと没頭していた。
かなり激しく。

私はきっと、強烈に負けず嫌いだと思う。

競うポイントや戦い方が、他人とずれているので、周りにはばれていない。美しさを競うとか、収入を競うとか、その場にいる誰かを言葉で打ち負かすとか、そういう、わかりやすい負けず嫌いじゃない。

私が競う相手は、いつだって、理想の自分。

彼女は、

どんな未来も予測可能で
時間は1秒も無駄にしないし
金は1円も無駄にしない
絶対に失敗せず
自分の思い通りに物事をコントロールする

あまり計画的ではなく、勘に頼るが、必ずパーフェクトな結果を出す。
なぜだか「有効利用」に執着していて、いっさいの無駄を生み出さない。

そんな魔物。

それが、私が今まで戦ってきた相手。

勝てなくて、焦っていた相手。

むしろ喜劇だ。