他人の中の自分

他人の中の自分 02

できなかったことを、他人に指摘された時――

私にはできなかったんです、と答えて、自分を正当化する理由を考えるのがAタイプ

反射的に謝って、自分を責めるのがBタイプ

私はBタイプ

しかも、冷静になると、私は悪くないと思い始め、自分を責めた屈辱が怒りへと変化し、その怒りの矛先は「できなかったこと」の原因を作り出した他人へと向けられる

そのうち、他人を責めなければ、自分が責められる、という強迫観念に囚われはじめる

「私は全く悪くない。あの人が悪い」という全員一致の評価が下されるよう、必死で根回ししたくなる

そういう、強烈な焦り
ものすごく、強烈な焦り

他人の失敗のせいで、自分の評価が下がることに対する、すさまじい恐怖

本当に怖いんです

心の中が、からっぽだから

何もない

私の中に私がいない

私はいつも、他人の中にいて、他人のくだす評価が、すべての気がしている

だから、他人が怖い

他人のちょっとした気まぐれの言葉が、私の根本を軽々と打ち砕いてしまうから

そして、それは、少し冷静になると他人に対する怒りへと姿を変える

そんなの、だめだ

私は、私の中に、私を見つけねばならない

何がしたい?
何が好き?
何がほしい?
誰といたい?

私は私に問いかける

今の私とは異なる、別の生き物が浮かび上がる

今の自分は、他人の視点が作り上げた虚像で、中身はからっぽ

実体は、遠いところにいる