回避性人格障害

回避性人格障害 11

感じのいい女の人に、感じのいい笑顔を向けられた私は、
彼女にふさわしい、感じのいい笑顔を返す

でも

彼女に背を向けたとたんに、彼女から逃げる

猛烈に、走って逃げ去りたい

彼女のさわやかさを、私は恐怖している

同時に、そんな自分を自己嫌悪している自分を感じる

自分を恥じている

自分を隠さなければならない

だから逃げ去るのか

彼女は、今日はじめて見つけた素敵な店の素敵なウェイトレスで

私がこれからその店に通うようになると、彼女は私を覚えるようになり、より親しみをこめた態度で私に接してくるのだろう

それが私は怖い

そういう他愛のない場所で、他愛のない人間関係を結ぶことが、怖い

これまでの私が徹底的に拒否してきたこと

何度も同じ場所へ行くことを避け、新しい場所を探し続けるか、さもなければ絶対の安全地帯である家の中にひきこもってきた

それでいいのかな

でもそれも窮屈なんだ

なによりも孤独だ