他人の中の自分

他人の中の自分 11

仕事をして金を稼ぐという行為は、プライドをその代償として売る行為。

これが本質。

しかし、人は、そういうとらえ方はしない。
気持ちの整理のつけ方には、いろいろある。

1 実際にはプライドを売っているのに、売っていないことにする。与えられた仕事はルールにのっとり、きちんとこなすが、ただそれだけ。それ以上でもそれ以下でもない。仕事中は一切の感情を排除して、その時間だけのマシーンになりきる。本当の自分は仕事から離れたところにあると考える。

2 逆に仕事に対してプライドを求める。自分だからこそこなせる仕事、維持できる環境、手なずけられる取引先や上司等を通じて、自分の価値を確認する。あるいは、そもそも社会的地位の高い仕事につき、仕事を通じて自分自身を高く評価しようとする。

3 すべて受け入れる。仕事の本質がプライドを代償とした販売行為であったとしても、それは別に気にしない。プライドを売るとか売らないとかには興味がない。同僚と適度な関係を保ちながら、金のため、家族のため、と日々を過ごす。

4 ドライになりきる。プライドでもなんでも、自分が売れるものは、すべて売って、なるべく多くの金を稼いで、カラっと笑える人になる。

たまに、**取締役とか、**部長とかいう、立派な肩書きがついているのに、とんでもなく仕事ができない人がいる。学歴だけは高いが、実務能力がぜんぜんない。

そういう人は、基本的に 4

はっきり言って無能なのは、実は自分自身が一番よくわかっているので、下手に他人と能力を競おうとしない。あきらかに自分をバカにしている部下であっても、出してきた成果物が信用できそうだったら、ノーチェックで上司に提出して、すずしい顔をする。とにかく他人の能力を使いたがる。

私は 2

でも、最近、1か4の要素を、もっと取り入れたいと思うようになった。

2はしんどい。

戦いに疲れた。

仕事にふりまわされたくない。