社会の中で、自分の居場所を探している
20代のうちは徹底的に働いて、30なったら引退して、その後は小説を書いて食べていくのが夢だったし、そうなるのが当たり前だと思っていた
まさか、自分が満足いくものを書けるようになるまでに、それから7年も8年も要するなんて、思ってもみなかった。1980年台は光り輝いていた「小説を読む」という行為がマイナーになり下がり、市場規模が収縮しているのに、しろうとの書き手がブログやアマゾンを通じて自作の小説を発表する供給過多な時代がくるなるなんて、思ってもみなかった
獣医として生きていく、しがない税理士事務所の所長として生きていく、生まれ育った街で、ただ家族と生きていく……自分の居場所を決めてしまった人間は強い。迷いがない。どこか明るい
だから、私も見つけたい
どうやって、これからの私は生きていくか
自分には何ができるかではなく、何をしたいかを考える
一生懸命考える
…………
で、見つからないと、死にたくなる
私はそもそも生まれてきたくなかった
なのに、まだ生きている
社会の中で、自分の場所が見つかる気がしない
実は私自身が、見つけたいと思っていないような気がする
ただ、消えたい
私をなかったことにしたい