人間が嫌いなんです

人間嫌いの生き方 01

たとえば、「わたし実は人間が嫌いなんですよね」と、さりげなく言ってみるとする。

大げさに驚いたり嘆いたりするのは親や親戚のおばさんたちだけだと思うので、ここでは無視して考える。

私がふだん接する人たちの反応というと、だいたいこの程度↓だと思う。

「ああ、そうですよね」と同意
「だから何?」と、もとから知っていた様子
「そうですか」と、言われてみたら確かにそうだと納得

ただ漫然と人とつるむことを嫌うオーラが背中から出まくっている私が人間嫌いなことなんて、実はみんな感じとっている。

しかし、言わない。
私も言えない。

実はみんなわかっていたことだとしても、やはり、私が自ら口に出して認めることによって、みんなと私とのあいだの壁が、以前よりずっと厚くなるような感じがするのだ。

私が人間嫌いですと公言することは、私はみんなのことも嫌いなんですと公言することに等しい。人が自分のことが嫌いな人を避けるのは、もはや本能の領域だ。そんな私だからこそ好きだと感じてくれる人なんて、100人中1人いればいいほうだろう。

なのに、最近の私は、カミングアウトについて、たびたび考える。
私だって、私を理解してくれる人はほしい。
理解されることに対する、強烈な飢えの感覚があるのだ。